19編のショートショート。荒唐無稽な話というよりも生活の中での裏面を暴露すると結構恐いよね、といった話がほとんど。
各編の最後の頁に一言書かれていてそれがオチになっている構成。これ版型が変わったり、フォントの大きさが変わると再構成しないといけなくなるなぁ。それだけこの最後の一言が効いています。
様々な男女の関係の裏面で繰り広げられていた恐ろしい話。知らぬは亭主ばかりなり、とはよく言ったもの。墓場まで持って行くような話をなんらかの形で知ってしまう、暴露される、友人から聞く、みたいな話が殆どで、あまり後味のいい話ではない。
正直、「知らぬが仏」って私の"座右の銘"の一つでもあります。知る必要のないもの、知らなければよかったことなんて世の中には山ほどあります。なので、いちいち詮索とかしないし、あ、カミさんの携帯とか絶対見ないです。浮気とか仮にされていたとしても、あからさまに連絡を取り合ったり、家庭をないがしろにするほどのめり込まなくて、更にその影さえも見せなければいいです。まさに「知らぬが仏」です。まして自分から暴露とかしないでほしいです。女性は自分が生むから確実に自分の子だけど、男は信じるしかないもんなぁ。托卵されてても周りの人が「あら、お父さんに目元そっくりねぇ」と言われればそれだけで満面の笑みでいられます。
人生、出逢う前も出逢った後もいろんなことがあります。2人でいる時間よりも、会社に行ってる時間の方が長いし、そういう意味では、起きている時間はカミさんといるよりも会社の人といる時間の方が長い。今、隣席が女性の同僚で、終日外出しない時などは、8時間くらいは1m以内にずっとおり、カミさんとでもそんなに長い時間近くにいることはなかなかありません。あ、だからといって隣の席の人と不倫してるとかは絶対ないですので誤解しないよう。家庭というのは人生の一部分で、その場所を大切にするという想いが共通であればそれだけでよいのではないかと思うのです。
さてこの本。
19編それぞれが最後の一言に向かって進んでいきますので、次が気になりどんどん読み進めてしまいます。といっても最後の一言にインパクトがあるのでひとつひとつの物語の印象は強い。あまり本を読まない人にはとっつきやすいかも。

- 作者: 百田尚樹
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2013/12/12
- メディア: 文庫
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