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「野性の証明」(原作)

野性の証明 (ハルキ文庫)

森村誠一著・ハルキ文庫

 1978年公開時に原作を読んでいるはずですが、既に40年以上前。すっかり原作の内容を忘れていて、しばらく前にハルキ文庫版を買っていたので読んでみた。
 映画版は何度も見ているので、原作も基本は一緒だろうと思い込んでいたのですが、全然違った(^_^;)。人間の記憶のなんといい加減な事か…。同じなのは登場人物の名前と前半までの話の流れくらいで、後半の展開がまるで異なっていた。
 岩手県の風道部落での大量殺戮事件を追う刑事と元自衛隊特殊部隊で風道部落唯一の生き残りの少女頼子を引き取り保険外交員をしながら一緒に暮らしている味沢。半年前に保険契約をした顧客が事故死したのをきっかけに市内を牛耳る一族の不正を知る事になる。
 風道部落の事件に偶然巻き込まれた女性の妹、朋子とともに巨悪に挑む中、朋子が何者かに襲われ殺される。朋子を殺した犯人を追い詰める味沢。そして最後、味沢は自らの野性を解き放つ。

 映画は、頼子との絆を中心に、強く優しい男としての生き方を提示していたのに対し、原作は好きな女性を辱め殺した犯人を追い詰めるだけといえばそれだけのドラマ。しかも最後はなんとも哀しい結末。
 図らずも自衛隊演習地に迷い込んだ味沢、頼子、味沢を追う岩手県警の北野が、演習にかこつけて自衛隊特殊部隊を相手に壮絶な戦いを繰り広げるのは、荒唐無稽といってしまえばそれまでですし、自衛隊を悪者に描いている為、自衛隊の協力を得られず、製作費の1/3を使ってアメリカロケをしているので、東北の山中とは思えない広大な土地で1人自衛隊に立ち向かうというラストはハチャメチャではありますが、映画的にはとてつもなくかっこよかった。

 この原作は、映画化を前提に森村誠一が書いたものですが、脚本の高田 宏治の力と最も勢いのあった頃の角川春樹の影響で迫力のある映画になったというべきか。
 
 原作は"パラレルワールド"的な感じで楽しむ感じ。


野性の証明 (ハルキ文庫)

野性の証明 (ハルキ文庫)


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