「若き狼の肖像」

平井和正著・kindle/祥伝社・NONNOVEL版
アダルトウルフガイシリーズ第10巻。アダルトウルフガイシリーズ・スペシャル

タイトル通り、アダルトウルフガイ、犬神明21歳、学生トップ屋として活躍していた時の話。天使も悪魔も出てこない。
赤坂のおんぼろマンションに事務所を持つ犬神明は、仕事にデートに大忙し。そんな彼に誘拐された三ツ星財閥の令嬢、石崎郷子を探してほしいという依頼が舞い込む。アメリカの殺し屋、神戸のやくざが犬神明を狙う中、井上組の若頭、やくざの綿貫が捜索行に加わり、やくざ者ながら奇妙な友情を育てる。犬神明がゴキブリの次に嫌いなやくざ者。

　災いを引き寄せ、みずから喧嘩を買って出てしまう犬神明。新月期でありながら溌溂と街を行く姿のかっこいい事といったら。どんなにボロボロになっても、事務所に家に戻ってシャツやスーツを着替え常にダンディな装い。といってもまだ学生、２１歳です。喫茶店の女の子をひっかけて家に連れてきたと思ったら居つかれてしまったり、バーで知り合った女性の家に転がり込んでワンナイトラブを楽しむ。若いなぁ。
　バイオレンスな描写も初期のアダルトウルフガイを彷彿とさせます。　
　

　これですよ、読みたかったアダルトウルフガイ。
　しかし、平井和正も鬼籍に入り、アダルトウルフガイはこれをもって終了となります。

　アダルトウルフガイkindle再読マラソンもこれで終了。
　最近旧作の漫画を別の人がリメイクするのが流行っています。「銀河鉄道９９９アルティメイテッドドジャーニー」「キャプテンハーロック～次元航海」「幻魔大戦reberth」「クラッシャージョウREBERTH」なんて完璧に安彦良和タッチ。アダルトウルフガイも別の書き手によって描き継がれたら良いのになぁ。　

若き狼の肖像 アダルト・ウルフガイ・スペシャル アダルト・ウルフガイ・シリーズ (NON NOVEL)

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