綾野ことこ著・KAエスマ文庫
前巻から4年半。待望の最新刊。現在劇場版公開中で、1月にはアニメ新シリーズが放送されます。
先月発売で、私のblogを見に来てくれている人は「ツルネ」読んでいる人も多いと思いますので、中にはあまり触れません。
今回は、湊たちは2年に進級し風舞高校弓道部に新入部員がやってくる。愁の桐先高校にも。そして新たな高校、弓道系youtuber、金髪のエディと赤い髪の朝日奈を擁する羽稲高校が登場。マサさんの過去。複雑な問題をかかえていた遼平の家庭。その上桐先の愁に執心する変な1年生は、ある事件を起こす。弓道の試合は地区大会くらい。登場人物が増えて、お話が散漫になっているのは残念。もう少し風舞のメンバーを丁寧に描いて欲しかった。これは先まで構成を考えて書いているとは思えません。
ただ思ったのは、学生弓道というものに触れていないのでよくわかりませんが、こんなに精神的なことを重視しているんだろうかということ。弓道をやっていればそういう風になっていくのはなんとなくわかりますが、学生時代という短い期間で的中を求めている学生ですと、精神論ではなくもっと技術向上を主眼にやっていくんじゃないかと思うんですが、それは学生弓道に対する偏見なのかな。
大人の私が見ても、静弥や湊、愁くんは、弓引きとして立派。立派すぎます。愁くんは、現在弐段で次参段を受審するそう。コーチのマサさんは練士の審査で落ちたと言っていたので現在五段。みんな段位以上に見えます。
主人公チームだからといって常勝していたら明訓高校です。
もう少し弓道について悩む姿をみたいし、風舞弓道部のみんなが悩みながら成長し、大会で成果を上げる姿がみたい。
いくつかの伏線が散りばめられているので次巻以降で回収されるのかな。
焦らなくていいので、丁寧にコンスタントに書いて欲しい。
にしてもKAエスマ文庫。一部書店でしか扱っていないのは、版元の京都アニメーションの問題。せっかくアニメで盛り上がっているのだから、amazon、楽天、ヨドバシ等のネット書店において欲しい。私は最寄りの有隣堂で偶然取り扱いがあったのを発見できたから良かったけど、紀伊国屋書店にすらないのは、売る気ないとしか思えません。
#ツルネ #弓道