(ネタバレなしで…)
「待っているだけじゃ、助けられない命がある」
2021年7月からTBS日常劇場枠で全11話、今年4月にSPと現在まで12話放送。タイトルの「TOKYO MER」は「TOKYO Mobile Emergency Room」、重大事故・災害・事件の現場に駆けつけ、負傷者にいち早く救命処置を施す救命救急のプロフェッショナルチームのこと。
本編シリーズでは、TOKYO MERの設立と活躍を、SPは屋形船の火災事故を描いていました。
主人公はMERの精神的支柱であり、危険を顧みず現場に駆けつけて傷病者を助けるチーフの喜多見(鈴木亮平)。チームを構成するのは、厚労省から派遣された医系技官の音羽(賀来賢人)、循環器外科の研修医、弦巻(中条あやみ)、外科病棟副看護師長との兼務の夏梅(菜々緒)、病棟の麻酔科医と兼務の冬木(小手伸也)、臨床工学技士、救命士でERカーの運転、機材を担当する徳丸(佐野勇斗)、ベトナム出身の看護師。外科病棟との兼務のミンさん(フォンチー)の6人。
毎回、死傷者が出てもおかしくない事故現場の奥まで入り込むTOKYOMERの行動は危険すぎて、監督官庁の厚労省としては認めがたい。しかも「TOKYO MER」の創設者である東京都知事の赤塚を政敵とみなす白金功労大臣は、都知事に加点を与えない為、TOKYOMERの解体を画策しことあるごとに妨害をしてくる。
TVシリーズは、毎回ワクワクして観ていました。東京都の危機管理対策室での対応報告で最後に「死者”0”です!」までお約束で、どんなに危険な現場であっても一人の死者も出さないいわゆるジェットコースタードラマとしても秀逸でした。(↓TVシリーズの感想↓)
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そして満を持しての劇場版。舞台は私的にはおなじみの「横浜ランドマークタワー」。4年前に異動するまでここで働いていました。
ランドマークタワーで爆発事故が発生、そこに新たに発足したYOKOHAMA MERが初出動、TOKYO MERはその支援に向かうところから始まります。
喜多見率いるTOKYO MERが「待っているだけじゃ、助けられない命がある」
という信念でこれまで数々の現場に当たっていたのに対し、
厚労省直轄のYOKOHAMA MERは、
「危険を冒しては、救えない命がある」
と真っ向対立。しかもYOKOHAMA MERのチーフドクターはアメリカで最先端の医療技術を学んできた救命医の駒井友(杏)と各分野のエキスパートを集めた選りすぐりのメンバー。
厚労省からの横槍と管轄違いで対立は表面化しながら、物語は進んでいきます。
ドラマですから、予定調和、ご都合主義なのは想定内です。でもエンターテインメントですからそれでよいのです。
寄せ集めのチームが「勇気」で回りを巻き込み、能力の高いロフェッショナルチームを超える。これって私の好きな「サイボーグ009」と同じ構図です。
既に30億を超えて今年の実写映画No1の興行収入だとか。
そういったお約束に乗れる人にはお勧めです。