江口寿史のトレパク問題。10/9の当blogでも少し触れましたが改めて擁護の意見を書きます。
事の起こりは、10月にルミネ荻窪で開催予定のイベント「中央線文化祭2025」の告知用に制作されたイラストで、ヘッドホンを首にかけた女性の横顔が描かれた作品。江口寿史は当初、Xで「インスタグラムに流れてきた横顔を元に描いた」と説明し、公開後に女性本人からの連絡を受けて承諾を得たと釈明したが、SNS上では制作過程への批判が殺到した。広告や商業作品における他人の写真の無断使用は、著作権や肖像権の侵害にあたる可能性があり、過去作品も含め「トレパク疑惑」が拡散される事態に発展している。
昔も勿論いけない事ではあったのでしょうが、以前は許されたことでも、今は個人情報や肖像権などが強く叫ばれる時代。
江口寿史の描く女性は、とてもかわいくて、リアルでありながらイラストとしても素晴らしいものであることは見たことのある人はみんな思っていると思う。
だから全国で展覧会やギャラリーイベントを開催し、そのどれもが大盛況でした。私も「彼女展」」行きましたし、イラスト集も持っています。
「ストップ!ひばりくん」の後半くらいから今のテイストを確立して、その後、「エイジ」や「エリカの星」「パパリンコ物語」でストーリーギャグ漫画を描きましたが、すべて途中終了。以降、短編ギャグ漫画集「何とかなるでショ!」「江口寿史の爆発ディナーショー」「寿五郎ショウ」短編連作「キャラ者」を出して以降、漫画ではなくイラスト一本になってきます。
ギャグものも面白いのですが、やっぱりかわいい女の子が目を引きます。なので、イラストが中心になったのはいちファンとして良い方向だと思っていました。
そこで降ってわいたトレパク問題。
ネット警察は、ご丁寧に過去作品のネタ元を探し出してきて晒して悦に入っています。ネット警察の有能さは置いといて、写真をもとに絵をかくことが果たしてそんなに悪い事なんでしょうか。
ちょっと騒ぎ過ぎのようなきがしてなりません。
写真機が出来てから、写真撮影をしたものをもとに絵を描いていた絵描きは結構多いと思います。
そもそも、SNSで写真をアップする場合、あえて肖像権を保持している旨を記載したり商用利用は不可などちゃんと書いてあるならともかく、それ以外の写真をもとに絵を描くことは問題なんでしょうかね。
個人的な意見ですけど、
イラストやデザイン作品をもとにしてちょっと組み合わせを変えて出すトレパクと江口寿史のトレパク疑惑とは違うものだと思います。
世間が騒いで取り下げられた東京五輪ポスターの佐野某の作品などとはいっしょにできないんじゃないかな。デザインをデザインで剽窃するのは駄目だと思う。
美術、特に絵画は「ノイズ」を楽しむものだと思っています。
つまり、同じ対象物でも、アウトプットした者の目を通し、脳で変換され、絵として表現されたものは、元となった現実や仮に写真であっても、そこに作成者の「ノイズ」が入り、それの妙味が作品としての価値になる。
同じ女性を描いても私の描いたものと江口寿史の描いたものでは当たり前ですが月とスッポンです。
実際に肖像権を主張してきた人がいて問題になりましたが、それ以前数千枚のイラストは何故問題にならなったんでしょう。ネット警察はただの外野、野次馬で火に油を注いで楽しんでいるもっとも下衆な人たちです。
江口寿史に可愛く描いてもらうのはある意味ステータスです。
かつては許されたことでも今は許されないなんてことは沢山あります。
これからSNSの写真をもとに絵を描く場合は、一応許可を取るようにして、
江口寿史さんには、この問題を早めに解決して、またイラストの世界に戻ってきて欲しいです。
私、江口寿史の味方です。