「決定版・星へ行く船」第5部・完結。
地球から"家出"をしてきた森村あゆみは、いろいろあって火星の"やっかいごとよろず引き受け業"水沢総合事務所に勤めています。前巻で、ある事件の逆恨みで襲われたあゆみちゃん。そこに現れた「通りすがりのレイディ」(2巻)で印象的な女性、木谷真樹子ことレイディ。
レイディは、あゆみちゃんに彼女の能力にまつわる秘密とその能力を使った仕事の依頼をすることになりますが、それが一生かかっても終わるかどうかわからない大きなもので、なおかつ彼女のもつその能力がこれまでのあゆみちゃんの人生を否定しかねない大きな能力だった。
この1巻をかけてあゆみちゃんは悩みに悩み抜きます。そして結論に達してその仕事を受けることになりますが、
ここでネタバレ。もう初出30年以上前のお話しだからいいよね。これから読む人はここで回れ右。
第1巻の「星へ行く船」の"星"は、火星でした。そして今巻の「そして、星へ行く船」の"星"は、惑星α(アルファ)、人類が初めて遭遇した知的生命体のいる星でした。そこであゆみちゃんは、銀河系で1人しか発見されていない"感情同調能力"を使い、この知的生命体とのコミュニケーションを図るお仕事に従事する。しかしこれは銀河系最高機密で、誰にも話す事ができない。仲良くしてもらった水沢事務所のメンバーにも、フィアンセの太一郎さんにも内緒で静かに消えないといけない。ただ一筋縄ではいかない水沢事務所のメンバーですから、ひとつひとつあゆみちゃんお悩みを取り除いていき、あゆみちゃんをこの仕事に心置きなく向かわせます。
さすがに30年以上前読んだ本で、ほとんど中身忘れてましたので、ワクワクしながら読めました。
「星へ行く船」決定版はこれで終了とのことですが、続編というか前日譚の「星から来た船」全3巻がありますので、せっかくなのでこちらも決定版再刊して欲しいものです。

- 作者: 新井素子,大槻香奈
- 出版社/メーカー: 出版芸術社
- 発売日: 2017/03/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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